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過去のマンスリー・トピックス
毎月、企業や社会の諸活動の中で気になるテーマ・話題に関するひとことエッセイや、とても有用な書籍へのひとこと書評を掲載中。 最新号、及びその他の過去のトピックスはこちらから。
◆2008/1 
今あらためて問い直す「目指す姿」「あるべき姿」
 〜コミットメントを見つめ直す



波乱(あえてこの言葉を使います・・・)の2008年が幕を開けました。
なぜ‘波乱’なのでしょうか? その内実を記し出しますととても長くなってしまいます。
ですが、簡潔に申し上げれば、(エコノミストの端くれとして申し上げますが・・・)過去私たちが経験したことないほどにグローバルリスクが高まると考えるからです。
昨年端を発したサブプライム問題は、8年ぶりに民主党が政権奪還を目指す大統領選がいくら活況を呈しようとも、米国経済を確実にスローダウンさせていくでしょう。その過程では欧米での金融機関再編が起きるはずです。 この混乱の中で世界経済はオイルマネーとチャイナマネーにパワーシフトしていくことになるでしょう。原油価格は1バレル100ドルを突破するでしょう。米ドルの信認は低下し、ドル下落は続きます。米国のミラーマーケットと称される日本経済への動向も推して知るべし・・・となるでしょう。 一部昨年露呈したアジアでのキャリートレードの活況を後押しするカタチで、人民元の大幅切り上げの憶測が高まり、世界中の行き場を失った投機マネーが、その金融取引の焦点である僅少化してゆくアービトラージ確保のために、アジアに集結してくることになるでしょう・・・。

21世紀はアジアの時代・・・と言われて久しくなります。しかし、我々自身、そのアジアの中にあって、その内実をどれだけ理解しているでしょうか?
(2008年早々ですが、ダイナアーツの推薦図書第一弾です。豊富な統計データ分析をもとに、アジア諸国がなぜ成長しているのか、そしてこれからどうなっていくのか、アジアの将来像を解き明かそうとしている読み応えのある本です。)

この本に述べられているように、アジアの内実はその混迷の度を増していくでしょう。80年代以降、そのアジア諸国を中心に、加速度的にグローバル化を進めてきた日本企業の多くにとって、日本円はもとよりドル決済を基調としてきたSCMプラットフォームがここにきて、その比較競争優位を失い、収益力が大きく後退してしまう可能性が生じると言えるのではないでしょうか。
そうしたかつてない厳しい事業環境の中、多くの企業が、2010年という一つの節目に向けて、新・中期経営計画を策定・発動していく年・・・、それが2008年です。

中期経営計画を策定していくその根幹は、自分たちのビジネスの近・将来像とそれに向けた進み方/進め方を明らかにしていくことにあります。そして、特に大切なのは、入念に協議・検討の上で明示されるべき近・将来像、すなわち「目指す姿」「あるべき姿」です。
しかし、前述のような変化・変貌の時代に及んで、この「目指す姿」「あるべき姿」を描くことは以前にもまして難しくなっていることは言うまでもありません。
難易度はどんどん高まるけれども重要度はそれ以上に高くなる。私たちダイナアーツがお手伝いをさせていただいてきた多くの企業には、当初、その「目指す姿」「あるべき姿」の明確化の重要性をきちんとご理解いただけている経営者は、残念ながらとても少なかったと言わざるを得ません。 経営者の多くの方々にとって、3年後の姿よりも大切なのは、単純明快、当期の売上げと利益だからです。また同時に、そうした方々が異口同音に使われる言葉・・・それが「成長」「革新」です。
ありがちなことですが・・・、たとえば、「2010年に2010億を目指す成長を遂げる。そのために革新する。」上記のような経営者の多くが、こうした表現でのみ、目指す姿、あるべき姿を示そうとされる傾向にあります。
2010年2010億という数字ではなく、自分たちのビジネスにはどんな活路を見出せるのだろう。加速度的に変質・変化する環境に対して、自分たちの事業・組織はどんな革新を遂げなくてはならないのだろう・・・。 その内容に具体的かつ現実的な示唆と希望が示されないままでは、営業、開発、企画・・・最前線を担う心ある人々には、際限なき価格競争、コアコンピタンスの短命化・・・という困難の極みの中、徒労感・無力感が肥大化していくことでしょう。

競争戦略の第一人者であるM. ポーター(ダイナアーツ推薦図書第2弾:競争の戦略。もはや‘古典’と言える名著です。まだお読みになられていない方は是非この機会に!)が提唱したファイブ・フォース・モデル。 企業の競争優位形成に立ちはだかるその「5つの力」の勢力が、より顕著により強烈になっている今日、新たな時代の新たな姿・・・を「目指す姿」「あるべき姿」を、大所高所から、そして細心に、自ら突き詰め、明らかにしていくことが企業経営者のコミットメントとして一層求められている時代です。
その中身は、強制力を発動して特定のプロジェクトメンバーに作らせるものではありません。ましてや、外部コンサルタントらの手によって、汎用的戦略論をテンプレートとして作成されたものとして受け取るものでもありません。 経営者自らがつくり込む場面に身を投じ、心ある参加者らとともに響創・響動するプロセスを通して、経営者自らのコミットメントを、自らの世界観と時代観、そして品格をもって明示していくべきものだと思います。そうしたプロセス、コミットメントなき中期経営計画は、ただの紙屑でしかありません。
コミットメント(commitment)・・・。私たちの世界では極めて頻発する言葉です。
日本語訳としては;
・かかわり合い、全力を注ぐこと、献身、参加(意欲)、肩入れ、傾倒、深く[本気で]関与すること
・義務、責務、責任、委託
・約束、確約、取引契約、態度表明、公約、言質・・・
といった解説・言葉が充当されるものです。
これを、(私たちダイナアーツでは)バリュー・プロミス(価値ある約束)と称しています。

あらためて・・・、皆様が皆様の企業のこれからを見すえようとされるとき、私たちダイナアーツは、チェンジリーダーたる皆様の、実を生み出すプロジェクト・ワークを起動し、目指す成果獲得に直結していく運営を担うプロフェッショナルなファシリテーターとして、さらには、創業以来14年間に渡って築いてきた、 中国をはじめとするアジア諸国、および、アメリカ、フランスなど欧米諸国の仲間たちとのネットワークを駆使した協働を通して、誠心誠意のご支援を行わせていただいてまいります。

2008年、どうぞよろしくお願い申し上げます。

(加藤)


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