DYNAARTSLOGO
ミッション サービス内容と実績 企業概要 採用情報 Top Page
過去のマンスリー・トピックス
毎月、企業や社会の諸活動の中で気になるテーマ・話題に関するひとことエッセイや、とても有用な書籍へのひとこと書評を掲載中。 最新号、及びその他の過去のトピックスはこちらから。
◆2007/10 
ビリー隊長はどのようにして“ヴィクトリー“をつかんだか
 〜口コミを誘発しヒット商品を生み出すシナリオづくり〜



「1 2 3 4 ・・・ 8」 「ワンモアセット!!」「ヴィクトリー!!」

日本で100万セット、世界で1000万セット以上の驚異の売上を誇り、今年前半の話題をさらったダイエットプログラム「ビリーズブートキャンプ」。 入隊された方、現在も入隊中の方もたくさんいらっしゃると思いますが、今回は「ビリーズブートキャンプ」の脅威の売上の背景・要因について考えてみたいと思います。

まずは皆さんご存知だとは思いますが、 「ビリーズブートキャンプ」(以下「ビリー〜」)について簡単におさらいしてみたいと思います。

●元米軍のビリー・ブランクス氏(通称:ビリー隊長)が、米国における新人向け基礎訓練の「ブートキャンプ」をベースに考案した短期集中型のエクササイズ
●激しい有酸素運動の7日間の減量プログラム
●日本ではCATV等で放送されたCMが口コミで評判を呼び、その後セレブ・タレントがTVで紹介し人気が沸騰、プロモーションのため07年6月にビリー隊長が来日するとブームは頂点に達した

ビリー隊長来日時はTVをつけると、必ずどこかの局にビリー隊長が出ていた気がします。
しかしなぜ米軍の基礎訓練をベースにしたダイエットプログラムがこれほどまでの空前のブームになったのでしょうか? 私見ですが、そこには時代背景の後押しと、綿密なビリー隊長の作戦の二つの要因が存在していたと私は考えています。

まず1つ目の要因の時代背景の後押しですが、これは運動によるダイエットの流行りの周期と「ビリー〜」の合致があったと思います。

大きなくくりになりますが80年代以降の運動によるダイエットのブームの流れは、
@1980年台〜90年代前半  エアロビ(映画フラッシュダンス、レオタードブーム)
A1990年代後半〜2000年代前半  激しい運動の反動でヨガ・ピラティスブーム(マドンナ、米セレブ等の影響、身体の内面の鍛錬の重視)
そして、ヨガやピラティスなどのゆったりとした動きにちょっと飽きてしまっていた人達の琴線に触れることにより流行ったのが
B軍隊式トレーニング(ビリーズブートキャンプ)いう位置づけだと思います。

またこれは偶然かもしれませんが、日本の景気動向も影響があるかもしれません。
@は主にバブル期、好景気で身体も思わず激しく動かしたくなる“イケイケ”の状態で明るく激しい運動のエアロビが流行る
Aは失われた10年〜デフレスパイラルの不況の中、激しさよりも内面から自分を見つめ直し(ある意味反省のため)、心も身体もリセットするヨガなどが流行る
B空前の長期に渡る好景気(と言われています)、とことん激しい運動の軍隊式トレーニングが流行る!?

景気との関係は定かではありませんが、やはりヨガなどのゆったりした運動が流行っていた反動が「ビリー〜」人気につながっていった面もあるのではと思います。

そして2つ目の要因のビリー隊長の綿密な作戦としては、バズ(buzz:消費者の口コミにより一大ブームを巻き起こすこと)・マーケティングの成功だと思います。
バズ現象は「爆発的に自然発生した需要」と定義されることが多いが、マッキンゼー&カンパニーのルネ・ダイ氏の調査によれば成り行きまかせで自然に起こることはめったにない(!)ことが判明しています。 つまり消費者の口コミを最大限活用するような販促キャンペーンを展開する方法があるということです。
(詳しい理論・方法に興味がある方はハーバード・ビジネス・レビュー 2001年6月号をご参照ください。 バックナンバーが当社にございますので、(コピーをご入用の方は)来社の折りお気軽にお声掛けください。)

では次に「ビリー〜」はどのようにバズを発生させたかを4つの視点から見てみたいと思います。

@伝えたくなる商品の魅力やその工夫・・・ 「あきれるぐらいのばかばかしさ」や「初期の目的と異なる性能」が一因となるケースが多い、また気軽に人に伝えたい工夫をすることが必要な商品もある
●「ビリー〜」は 衝撃的なCM映像やビリー隊長のキャラ、軍隊式トレーニングのリアリティー、「7日間で10kやせる」(公式のキャッチコピーではないようですが)など人に伝えたい衝動に駆られる要素が盛りだくさんの魅力的な商品である

例)また気軽に人に伝えたい工夫をした商品の好例としては「バイアグラ」がある。革新的な新薬にバズを巻き込むための工夫として、禁句であった「インポテンツ」という言葉から医学用語の「勃起障害」の略語「ED」を普及させることにより、気軽に話す土壌を作り、バズをおこすことに成功した

Aスーパースターを利用する・・・有名人のお墨つきをもらう、映画やTVショーなどで強力な推薦を受ける
●「ビリー〜」はアメリカの様々なセレブが入隊している、更に日本の芸能人も数多く入隊していることをTVのトーク番組等で話をしたりしているが、何といっても国民的な人気者のSMAPや明石屋さんまがパロディー(お墨つきとは違いますが)で取り扱ったことにより爆発的なバズを起こすことに成功した

例)この方法の例は数多くあり、マイケル・ジョーダンやタイガーウッズを広告に起用したナイキ、映画の「フォー・ウエディング」の「オーデン詩集」、「007」のBMW、「ミッション・インポッシブル」のアップルのラップトップパソコンなどがある

B品薄状態を演出する・・・人は自分や他人が持っていないものをほしがる傾向をうまく活用している
●「ビリー〜」も故意に出荷を制限したかは不明だが、一時品薄状態になりオークションではプレミアがついたりしていた。入手が難しいことが更に人気を高めていった

例)この術に長けているのがディズニー。アニメ・フィルムの需要とバズを見事に高いレベルで維持している

Cランキングの威力を借りる・・・情報の洪水のなかで、「何に注意を向けるべきか」を見失っている消費者にとって、役に立つ標識の役割となっている
●「ビリー〜」はTVショッピング、楽天、ビッターズなどのネット通販など軒並み07年前半は1位を継続していた。その情報を見た消費者が、更に購入や口コミを流すことによりバズを誘発させた

例)映画の興行成績、学校ランキング、20世紀の偉大な小説100、などを見ることにより購買意欲をかきたてる

他にも旗振り役を育てたり、草の根運動を起こすなどのバズを起こすための様々な戦略や取り組みがありますが、こうして見ると「ビリー〜」はヒットするべくしてヒットしたと言えるかもしれませんね。
ただこの後このブームを継続させていくのは更なる困難を極めると思います。今後のビリー隊長の新たなる作戦をしっかり注目していきたいですね。
ちなみに私も一度だけ「ビリー〜」に入隊したことがあります。その時はスタートから15秒ほどで残念ながら除隊をしました(苦笑) 私はもとも腰痛持ちなのでいきなりの高速の腹筋で腰を痛めたのが原因です・・・その時は準備運動の大切さを身に染みまて感じました。

またこれは余談ですが、知人のスポーツトレーナーから聞いた話では、「ビリー〜」のみを行って、痩せた人は知らないとのことです。もちろん筋肉がつき身体は絞れるけど、体重が激減するような成果を残した人は残念ながらいないそうです。
ただ他のエクササイズや食事療法と併用して効果が上がった人はいるそうなので、せっかく厳しいキャンプに参加するのであれば、より効果的な方法を専門家に聞いてみてから実行に移す方がいいのかもしれませんね。

私達ダイナアーツでも、バズの誘発を含むヒット商品を作るためのお手伝いをさせていただく機会がございます。その際はもちろんいきなりの始動ではなく、十分な事前の準備運動(例えば仮説出し、リサーチ、検証など)を行ってから実行段階に進めていくことを常に心掛けております。 それは十分な準備運動がなければ行き当たりばったりになり大きなケガをすることが多いからです。
商品開発や販売戦略などのマーケティング開発についてのお困り事・お悩みがある方は是非お気軽にご相談をしてください。ダイナアーツではしっかりとした準備運動を経てあなたの問題の解決に向けお手伝いをさせていただきます。
「ワンモアセット!!」の掛け声が出るかはわかりませんが、一緒に「ヴィクトリー!!」を目指して汗を流して行きましょう!

※参考文献「バズ・マーケティング」 ルネ・ダイ氏 (ハーバードビジネスレビュー 2001年6月号)


(木)


プライバシーポリシー Copyright reserved by Dynaarts Interdevelopment Ltd. 2007  サイトマップ  お問い合わせ