◆2010/5
“結衣は朝十六茶から♪” ~ なぜ「十六茶」は朝ブレンドに生まれかわったのか!? ~
“結衣は朝十六茶から♪”
私たちの世代には懐かしい曲がTVから聞こえてくる機会が増えています。
ちなみに原曲はこちら↓
●松本伊代さんの「センチメンタル・ジャーニー」
CMはこちら↓
●新垣結衣さんが出演している「十六茶」のCM
これはご存知、「十六茶」(アサヒ飲料)のリニューアルに伴ったTVCMです。
今までと大きく変わったのは、朝専用(朝飲んで欲しい!)のブレンド茶になったことです。
なぜ、今回「十六茶」は朝ブレンド茶になったのかを考えてみたいと思います。
簡単に「十六茶」の歴史を振り返ってみましょう。
(アサヒ飲料HP内「Asahi History Books」より抜粋 ※一部加筆)
●1993年3月1日:健康ブレンド茶として産声を上げる
「十六種類で十六茶」
十六茶のネーミングの由来:
東洋医学では五臓「肝・心・脾・肺・腎」+それぞれの臓を助ける五腑「胆・小腸・胃・大腸・膀胱」+「心包」(臓)・「三焦」(腑)=「六臓六腑」のバランスが保たれることで、健康を維持できると考えられている。
また、「甘い・苦い・酸っぱい・しょっぱい」の4つの調和が揃うとおいしく感じられると言われている。
これらの数字を全て足した「十六」がネーミングの由来。
健康ブレンド茶としての発売当時の原料:
ハトムギ、緑茶、大麦、玄米、大豆、ハブ茶、ウーロン茶、昆布、よもぎ、霊芝、クコ、熊笹、柿の葉、シイタケ、アマチャヅル、ミカンの皮
●2000年:リニューアル「健康志向に応えた味わい」に変身
原料に黒豆、ゴマ、紅花、キダチアロエ、アシタバを新たに採用しコクと飲みやすさを向上。同時にパッケージデザインも一新し健康志向に応えた味わいに変身を遂げた。
●2003年:大幅リニューアル 「原点回帰」
発売10周年を迎えた2003年、十六茶は原点回帰!
「十六種類で十六茶」というメッセージを復活させ、さらにパッケージも発売当時を彷彿させる新しいデザインに変更。
香ばしい味わいを引き立てるハトムギや、旨味を引き立てる緑茶の使用量を増やすなど、十六種類の自然素材についてブレンド比率を大幅に見直し、新登場した。
●2005年:ノンカフェイン使用に変更
緑茶にはカフェインが含まれている。だから、就寝前には緑茶を飲まない方がいいという人もいる。そこで十六茶では2005年2月から、ノンカフェイン仕様に変更。
いつでもどこでも気軽に飲める健康的な飲料として、より幅広い客層に愛飲してもらえるよう変身した。
●2010年2月:“朝ブランド茶”へ大幅リニューアル
朝の身体にカフェイン・ゼロ。
朝の身体に染みわたる16種類のミネラルをブレンド。
17年の歴史の中で「十六茶」は4回のコンセプトの変更がありました。
上記を簡単にまとめますと
①東洋医学に基づく健康ブレンド茶(1993~2000年:7年)
②健康志向に応えた味わい(飲みやすさ)を重視(2000~2003:3年)
③原点回帰/旨味を引き立てる緑茶を増やす(2003~2005年:2年)
④ノンカフェイン仕様(緑茶をはずす)“いつでもどこでも気軽に”
(2005~2010年:5年)
⑤朝ブレンド茶(2010年~現在)
これは消費者意識や嗜好の変化もありますが、お茶市場の競争の厳しさも原因ではないでしょうか。
社団法人 全国清涼飲料工業会のHPを見ると“ブレンド系お茶”の生産量は2000年をピークに下降トレンドに入り、2006年度には(2000年に比べて)約2割も落ち込んでいます。
推測になりますが、「十六茶」の歴史を見ると最初の7年(つまり2000年)までは開発当初
のコンセプトでおそらく順調に売上をあげていたが、2000年以降下降トレンドに入ってからは、新しい「十六茶」のあり方を模索し試行錯誤を繰り返していたのではないでしょうか。
そんな中、今の朝ブランドの原形とも言える“ノンカフェイン仕様”は5年前から始まっていました。
その時のコンセプトは就寝前も含めて「いつでもどこでも気軽に飲める健康的な飲料」。
どうでしょうか?
私個人の印象(あくまでも主観です)では“いつでもどこでも気軽に飲める”のはいいのですが、“いつでもどこでも”と言われると逆にあまり積極的に買って飲もうという感じはしません。
今回のリニューアル後のコンセプト
「朝から元気にスタートできる。朝専用のブレンド茶」
昼や夜はともかく、例えば朝にコンビニでお茶を買おうと思って、この二つのPOPがついているお茶が売っていたら、皆様はどちらを選びますか?
私はやっぱり“朝専用”の方を選びます。
もちろん、“朝専用”を選べば昼や夜を失うことになるのかもしれません。

詳細はわかりませんが、アサヒ飲料は昼や夜を失ったとしても朝を取り込む方が有効だと判断したのだと思います。
※例えば市場調査で
“お茶を朝飲む(買う)人の数がある一定の数以上存在していること”
“朝元気になれる、健康的になれる飲料(お茶)を求める志向が高い”等の結果から(もちろんそれ以外にも決定するためのファクターはあります。)
何より、アサヒ飲料には過去にこの切り口で大きな成功事例があります。
●朝専用缶コーヒー モーニングショット
マーケティングの教科書的に言えば、
「市場を細分化(マーケット・セグメンテーション)して標的市場を絞った」ことになります。
競争が激化している成熟市場の中、しかも「お茶」のような差別化が非常に難しい商品カテゴリーでは、全方位で戦うのをやめ市場を切り分け(細分化)して、勝機を見出すことは往々にしてあります。
市場を切り分ける時には(基本として)以下のような軸で検討する必要があります。
●地理的変数:居住地区、都市化進行度、気候など
●人口動態変数:年齢、性別、家族構成、所得、職業など
●心理的変数:社会的地位、ライフスタイル、性格など
●行動変数:過去の購買状況、使用頻度、など
もちろん上記だけでなく、購買状況や利用状況を可能な限り想像して、自社商品が勝てると思われる戦場を選ぶ必要があります。
「十六茶」の新しい挑戦をこれからも見守っていきたいと思います。
まとめますと、
市場を見極め、自社商品の“勝てる戦場”を今一度考えてみよう!
■市場動向を見極め、時には思い切った絞り込みが必要な時もある。
■一般的な切り口だけではなく、お客様の購買状況や利用状況を可能な限り想像し、新しい切り口がないかを考えることが大切だ。
■もちろん、闇雲に絞ればいいと言う訳ではなく、切り分けた市場に、必要なお客様の数が揃っているかを調べる必要がある。
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“朝”という切り口でみると、「めざめるカラダ朝カレー」などもありますね。
“朝”以外にも「午後の紅茶」など対象の時間帯を絞ってとがらせている商品も数多くあります。
(「午後の紅茶」は“午後専用”で訴求をしているわけでもなく、またすでに商品ブランドの認知度も高く、午後だけの紅茶というイメージはありませんが)
もちろん、時間帯だけでなく地域という切り口でも、競争が激化している市場では、より細かく特化して生き残りをかける会社や商品が増えていきますね。
例えば不動産屋でも
●千代田区番町・麹町ならおまかせください!(ほっと不動産)
●阿佐ヶ谷・南阿佐ヶ谷に地域密着(ヨシダホームズ)
誰もが陥りやすいジレンマですが、地域を広げた方が、お客様を取り込めるよう気がします。(単純に対象人数は増えますので)
しかしそれでは、逆に特徴や専門性がぼやけてしまい、大手や他の専門店に取られてしまいます。
ですので、地域を絞って、大手には出来ないような決め細やかな情報量と小回りが効くフットワークで勝負をした方が、結果として有効なケースがあります。
もちろん細かくすればいいと言う訳ではありません。そこに一定数のお客様が存在がいる事が前提となります。
市場の絞り込みとお客様の数のバランスをはかりながら、どの市場で勝負をかけるかを決めるのはとても難しいことです。
私たちダイナアーツでは、“商品・サービスのターゲット・市場の見直し”“ポジショニングの再設定”“その後の販売支援”に対し多くの実績とクライアントの皆様より確かな評価を頂いております。
自社商品・サービスについてお悩みの皆様、無料相談も実施しておりますので、まずは遠慮なくご相談ください。
※本記事は、メールマガジン(毎月発行/無料)「売れまめ! 売れない時代に売れるためのまめヒント」10号を加筆・編集したものです。
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(髙木)
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