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過去のマンスリー・トピックス
毎月、企業や社会の諸活動の中で気になるテーマ・話題に関するひとことエッセイや、とても有用な書籍へのひとこと書評を掲載中。 最新号、及びその他の過去のトピックスはこちらから。
◆2009/9 
深圳(Shenzhen)~中国の変化を体感できる街  激流中国の一端への雑感

今年の夏休み・・・皆さんはどのように過ごされましたか?
かくいう私は、例によって、休みなんか関係なく、ご支援申し上げているクライアントにお引き回しいただいておりました(笑)。8月は前半は国内(西の方…のお客様)出張、間髪いれずに、お盆休み中にもかかわらず、8月15日(土)には成田を発ち、上海~深圳に10日ほど行っておりました。 上海は、すでに多くの方々が訪れている、中国でもっとも有名な都市の一つだと思いますが、深圳(シンセン)については、香港からもっとも近い(陸路、海路共に片道1時間程度で往復できる)中国の大都市でありながら、インターネットでもなかなか思うような情報が見つからない、日本人にとっては近くて遠い中国の代表的な都市のように思います。
今月のマンスリートピックス・・・この深圳についてちょっと雑感を記してみたいと思います。

深圳には飛行機はもちろん陸路、海路などいろいろな行き方があります。飛行機の場合、残念ながら日本からダイレクトに深圳(宝安)空港への乗り入れはありませんので、北京や上海から・・・となるでしょう。 香港からもっとも近い中国・・・ですので、KCRという鉄道で香港サイド(ホンハム)から深圳の入口である羅湖(Lauhu)に・・・でもOKです(30分程度です)。香港からの入路の場合、中国に返還されたとは言え、香港からの出国手続、中国への入国手続がありますが・・・。
私の場合、深圳には、往路は上海から国内線の飛行機(上海航空(FM)、中国南方航空(CZ)、深圳航空(ZH)などいろいろです)で、復路は深圳市と、香港(香港島のセントラル地区や九龍、香港空港ダイレクト)やマカオはもちろん、中国きってのリゾートの一つである海南島などを海路フェリーで結ぶ蛇口(Shekou)フェリーターミナルからフェリーで1時間程度の快適な船旅で香港経由、帰国の途に・・・というパターンが多いです。

深圳は中華人民共和国広東省に位置する副省級市です。香港の新界と接し、経済特区に指定されていて、中国では、香港(23,125 ドル)・マカオに次いで所得が高い都市でもあります。 しかし、そもそも1980年代初頭までは人口数万人程度の漁村だったそうで、そこに突然、鄧小平の方針で経済特区をつくることになり(1979年3月)、日本を始め世界各国の企業が進出してくるようになって、今では違法居住者を含めると人口1,500万人を越える巨大都市になってしまいました(わずか20年余りで人口が100倍以上に増加したことになります)。 住民構成の特徴としては移民都市であり、元来は宝安県として一集落に過ぎなかったものが、改革開放経済の過程で外部より労働人口が流入して都市が形成され、広東省でありながら広東語が使われる比率が極めて低い地域となっているのです。 ですから、歴史がまったく無い都市で、博物館に行っても、石器時代からすぐに1900年代の展示になり、もっぱらこの20年でどれだけ変化したかという説明ばかりです。
経済特区としての深圳の発展をさらに加速することになった‘起爆剤’が、1991年5月28日、国務院の承認を受けて設立された福田保税区です。面積は1.68平方km、うち、税関管理面積は1.35平方km、生活区域は0.33平方km。 電子製品やIT機器、付属デバイスやバイオテクノロジーを中心とした加工、物流、国際貿易、輸入商品流通の一大拠点地域です。 ウォルマートやIBM、インテル、ハネウェルといった欧米企業はもちろん、韓国のサムスンやLGグループ、そしてわが国では、三井物産、伊藤忠、住友商事といった商社や、日立、ソニー、パナソニック、東芝、NEC、イオングループ等々・・・、フォーチュン500企業のうち、 20数社のアジアの重要拠点(ロジスティクスのみならずR&D分野も・・・)ができあがっています。
こうした状況が進展して、今日では(経済統計の指数では)中国では最も裕福な都市と言われており、労働者の可処分所得は北京や上海の約2倍となっています。給料は、日系企業の現地採用の中国人従業員の場合、毎日の残業を加えても、平均すると月に約1,500元(日本円で2万2~3千円くらい)前後(それでも、20歳前後の女性の給料は、田舎に住む両親の給料の数倍になるそう)となっています。
また、深圳は若者ばかりの都市でもあります。中国では50 歳くらいで引退し、孫の面倒をみて暮らす人も多いですが、深圳は圧倒的に出稼ぎに来ている若者が多いので、平均年齢は26~27歳ということです。街の中を歩いてもとにかく若者ばかりで、老人を見ることはほとんどありません。ですから、ファッションも華やかで、世界の有名ブランドの直営店もたくさんあります。主要な道路沿いには間違いなくマクドナルドとケンタッキーがあり、ピザハットやハーゲンダッツもあります。 特にマクドナルドの味は日本と同じで違和感はなく、休日の昼時は非常に混み合って席を取るのに苦労します。また、携帯電話の加入件数は人口を上回っているとのことで、だれでも携帯を持っていて、日本と同じようにメールを打っている人を多く見掛けます。若者の携帯好きは日本と同じで、給料の2ヶ月分くらいの携帯をみんな持っています。 中国の携帯は、電話番号が記憶されたカードを入れれば、どのメーカーの携帯でも使用可能なので、新しい携帯に頻繁に買い換える人も多く、携帯電話ショップは恐らく市内に数千軒はあるのではないでしょうか。
中国は驚異的な経済成長を続けていますが、その中でも深圳の成長は突出しており、すべてが活気に満ち溢れている、いわばチャイニーズ・ドリームの街でもあるわけです。

・・・しかし、もちろん、そうした素晴らしい面ばかりではありません。加速度的に発展する街の光と闇・・・、深圳の治安は決して良好とはいえません。かくいう私も、‘ちょっと怖い’‘ヒヤッとした’経験はイッパイあります(このコラムでは詳述いたしませんが・・・)。
あるグローバル企業の分析結果では、「今日、南中国エリアにおける製造拠点のコスト指数は、同様な施設をアメリカ国内(中西部)で操業するケースとを比較して、わずか6%の優位性しかなくなってしまった・・・」という発表がなされています。 低コストで大量の労働力を武器として成長してきた中国の代表的エリアである広東省、そしてその広東省の経済特区として著しい発展を遂げてきた代表都市である深圳ですが、ここ数年、多くの外資系企業が広東省内の製造拠点を、中国よりも1.5~2割程度安い労働力と治安の良好さを求めてベトナムなどに移転する動きが顕著となってきています。 溢れ出ずるチャンスをあてにして地方から殺到してきた労働者が、そうした企業の動きの中で仕事にあぶれ、路頭に徘徊する光景・・・深圳という街のそこここにはそんな姿も多く見られます。 「こうした広東省経済におけるこれまでの成功体験が通じなくなりつつある確実な変化の中で、どのような中期のあるべき姿を講じていけばいいのだろうか?」 今、ダイナアーツがご支援申し上げている幾多の企業から私たちに投じられている中心的課題です。 これからの中国、変化する中国・・・そして直面する課題に立ち向かっていく中国・・・。その現実・実際をきわめて間近に体感することができるのがこの深圳という街だと思います。
いわゆる観光! という都市ではないかもしれませんが、機会があれば是非訪れていただきたい街です。 そんな‘激流中国’・・・、中国に取り組まれる日本の企業のみならず、そんな中国に生まれ成長する企業の方々とも豊富なネットワークを有するダイナアーツです。これからの中国にどう商機を見極め、取り組むか? 是非、ダイナアーツにご相談ください。

(加藤)


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