◆2009/7
不振店から行列のできる餃子店へ「餃子の王将」 〜餃子“愛”とお客様を理解したお店づくり〜
じめじめした日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
こう蒸し暑いと、冷えたビールが待ち遠しい方もいらっしゃるのではないでしょうか?(私もです!)
今回は冷えたビールと一緒に食べたくなる、“餃子”についてのお話です。

餃子と言えば最近TVで「餃子の王将」の特集を見る機会が多くありませんか?
王将のホームページを見てみると、なんと6月だけで8本もの特集が組まれています。
世間では注目度が高い「餃子の王将」ですが、実は私は“王将の餃子”を食べたことがありません。社内でも上記のTVを見て、度々話題になっていたこともあり、早速家の近くの「餃子の王将」に行ってみることにしました。
向かったのは、平日(木曜日)の夜8時過ぎ、電車の駅からは遠いロードサイドのお店です。
しかし・・・ 着いてびっくり!
もの凄く混んでいます!
26台ある駐車場は既に満車で、停められない車が続々と帰って行っています。
そしてしばらく待ち、やっとのことで車を停めて店舗に向かうと、そこには店内・外で入店を待っているお客さんがぞろぞろいます。
「こんなに人気があるの?」
正直びっくりです!
(後半へ続く・・・)
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ここで「餃子の王将」について整理してみましょう。
1990年代には低迷をしていた「餃子の王将」ですが、近年は外食産業不振の中、見事に増収増益を達成しています。
決算短信(平成20年度/連結)を見てみると、売上高549億円(前年同期比:10.5%増)、営業利益61億円(同:6.2%増)、全店客数前年同期比:9.3%増と過去最高の数字を上げています。
そして直営既存店の売上高は今年1月まで18ヶ月連続で前年を上回っています。
これは混んでいるのも納得の数字ですね。
絶好調の理由は、以下の3点の取組みの成果です。
1.“美味しさ”を提供するための品質の確保
2.商圏特性・顧客視点にあわせた店づくり
3.1・2を実現させるための人材教育
「 2.商圏特性・顧客視点にあわせた店づくり」からみてみます。
「餃子の王将」は全国に500店舗以上あるチェーン店(直営、FC含む)ですが、店舗毎に中身、(メニュー<共通メニュー以外>、サービス、販促策など)は違います。

決算短信を見てみると「一店一店が地域・立地に見合った最適な販売方法を生み出す事こそが地元に永く愛される繁盛店であり続ける条件だと考えている。」と書いてあります。
「餃子の王将」ではその地域の事情に精通している店長にその裁量権を与えることによって地元に永く愛される繁盛店づくりを努めています。
その中にはこんなユニークな販促策もあります。
・学生街で、餃子5人分を5分で食べたら無料
・ファミリー向けに、似顔絵持参で餃子一皿無料
・町工場の多い地域では、労働者の健康を考えサラダバーの設置
・学生に限り30分皿洗いをしていけば食事代無料
本当にユニークですね。
チェーン店というよりは商店街にある個人の中華料理屋さんや定食屋さんのようです。
同社の大東社長は「チェーンは個店の集合体」と語っていますが、このことが「餃子の王将」と他の競合店との大きな差別化要因であり、お客さんに支持されている大きな理由の一つなのは間違いないでしょう。
次に「3.人材教育」についてです。
「餃子の王将」には店舗運営マニュアルもなく本部指導するのも、売上不振店のみです。
その商圏に最適な店づくりを実現されるための裁量は現場の店長に基本的には全て委ねられています。
つまり最適な店を実現するためには、店づくりを行う店長を始めとした人材への教育がとても重要になってくるわけです。
大東社長は増収増益の理由を
「ひたすら従業員の教育に力を注ぎ、店舗運営を店長に任せてきただけ」
と答えています。
例えば、
・徹底的な技術指導(後述)
・熱い魂の店長会議や大東社長の細かな気くばりなどによるモチベーションアップ
・究極のOJT(権限委譲による店づくり)
などです。
「餃子の王将」は1・2の強みを発揮させる店をつくるために、やる気に満ち溢れた自分の意思で動ける従業員づくりに力を注いでいます。
最後に、「1.“美味しさ”を提供するための品質の確保」です。
「餃子の王将」では看板の餃子を含め提供する商品の“美味しさ”の品質確保にも、もちろん大きな力を注いでいます。
代表的な取組み:
・可能な限り“その場で手作り”の料理を出す事に努めている
チェーン店というと採算重視のため、セントラルキッチンで作ったものを店に運んで、簡単に調理をして出すところが多い中、「餃子の王将」では餃子の具材などの一部を除いて大半は店内調理をしています。
90年代の不振時に社長に就任した大東社長が一番最初に行ったのが、店舗にオープン・キッチンを作り、(魅せるということも含めて)出来るだけその場で手作り調理をするということでした。いわば「餃子の王将」隆盛の原点とも言える施策です。
・そしてその餃子の具材も当日送られてきたものだけしか使わない
など、“美味しい”ものを出すことへのこだわりは相当なものです。
また店舗毎の品質のバラツキを防ぐために
・中国人調理師による技術指導も行っております。
年間10人づつ、国内店舗に呼び、繰り返し同じ料理を作らせながら、味や香りが安定するよう徹底して指導を行っています。
以上の点からみても、「餃子の王将」に行列が出来る理由がわかる気がします。
(後半、続きです。)
持ち帰りの焼き餃子を頼んで、待つこと約30分、ようやく出来ました。
期待を胸に、餃子のニオイが充満する車に乗って、家に帰り食べてみると・・・
「美味しいです!」
他のチェーン店の餃子に比べると、周りの皮が厚めで“もちっと”しています。
具も多めです。焼きたてということもあり焼き目も、ばりっとしています。
値段を考えても、本当に満足できる一品で、味覚的にも行列ができるのが納得です。
皆さんも「餃子の王将」を見かけたら、是非食べてみてください!
そしてその時は料理が出てくるまでの間、メニューや販促物などを見て、そのお店のマーケティング施策などに思いをめぐらしてみるのも、いいトレーニングになるのではないでしょうか。
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「チェーンは個店の集合体」、大東社長の言葉には頷かされます。
チェーン店と言えば、均一のサービスや商品を提供することが強みの一つではありましたが、今後は(全てのチェーンや店舗が対象という訳ではもちろんありませんが)、消費者の多様なニーズに対応するために、個店毎の商圏にあった最適な販売方法を探る傾向が益々強くなっていくのではないでしょうか?
私達ダイナアーツでも、そんな多様な消費者ニーズに対応するために「店舗類型への分類、ターゲット・コンセプトの策定、店舗リニューアル、最適な販売方法づくり・・・等」のご支援を行っております。
「不振のチェーン、不振の店舗をどうにしかしたい・・・」
そんな悩みを抱えている皆様、是非私達ダイナアーツへお気軽にご連絡ください。
一緒に新しいマーケティング戦略をつくって行きましょう!
参考文献 「日経MJ」(流通新聞)
(高木)
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