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過去のマンスリー・トピックス
毎月、企業や社会の諸活動の中で気になるテーマ・話題に関するひとことエッセイや、とても有用な書籍へのひとこと書評を掲載中。 最新号、及びその他の過去のトピックスはこちらから。
◆2009/1 
2009年、新年あけましておめでとうございます

いつものように新しい年が開けたようではありますが、今年は、どうも勝手が違うようです。一昨年の米国サブプライムローン問題に端を発した金融恐慌は、昨年、ついに世界各国の実態経済に悪影響を及ぼし始めました。
年始早々、少々心苦しいですが、2009年・・・どんな年となるのか、エコノミストの端くれとして小論を記します:

1.1年を通じてとても厳しい日本経済
日本経済は2009年上半期、さらに落ち込みが厳しくなるものと予想されます。株安のまま12月末を迎えたことで、金融機関の財務への影響が懸念されます。そのため、改正金融強化法の発動が可能性として考えられますが、信用収縮の動きは止まらず、引き続き企業活動を制約することになってしまうでしょう。 さらに、最終需要が急速に悪化していて出荷が激減していることから、在庫率の上昇傾向が継続し、生産低下の傾向が継続すると考えられます。先行指標としての工作機械受注の動きを見ても、2009年は1年を通じて設備投資の落ち込みは避けられません。

2.さらに信用収縮・・・
今世紀になって大きく伸長した不動産業界ですが、2009〜2010年は、この不動産市場の活況期に融資を実行されたプロジェクトのローンの償還ラッシュを迎えます。残念ながら、デフォルト案件が急増することは必至でしょう。 引き続いて世界的なクレジット・クランチの状況が継続する中で流動性は落ち込み、ファイナンス環境は甚大なダメージを受けてしまうことになるでしょう。そのため、建設・不動産業界の苦境は2008年の水準を超えるものになると予想され、関連産業はもとより、REIT市場に至って大きな影響を被ってしまうことは避けられません。 よって、金融機関の不良債権は増加し、クレジット・コストが増加することによる信用収縮・・・。政府と日銀の果敢な緊急対策がどのような局面で発動されるかが雌雄を決することになると考えられます。

3.雇用・所得の悪化・・・消費経済の深刻化
雇用の悪化の本格化の年となるでしょう。個人所得もさらに落ち込むものと考えられます。そのため、消費者の景況感はさらに悪化し、消費の減少が継続するものと予想されます。 特に高額所得者層は減少し、消費者の価格目線の厳格化により、一縷の価格破壊型流通サービスの需要は上昇するものの、全体感としての消費はマイナス傾向となると考えられます。既にコアCPI(消費者物価)は前月比ではマイナス化しており、2009年は、再度デフレの議論が再燃する可能性が高いと思われます。 エネルギー価格の下落や貿易の縮小に伴う輸送コストのダウンといった要因も含めて企業物価から消費者物価に至るまでマイナスの圧力がかかり続けると想定されます。

4.政府の財政政策の規模と実行がポイント
こうした経済情勢の中で日銀の選択肢は徐々になくなってきています。かつての不況期と同様に日銀の株式購入を含めた非伝統的な対応を行う可能性が高いと考えられます。その他CPの買い切りオペ期間の延長や、社債・投資法人債の買い切りオペといった対応も求められるでしょう。 また景気の悪化がさらに長期化することが見えてきた場合には、クレジット市場の悪化が原因ではありますが、量的緩和の継続をコミットする時間軸効果の導入によりイールドカーブ全体を寝かすための対策が打たれるものと考えられます。 金融政策としてはすでに打てる手段が限られてきている中で鍵となるのが政府による財政政策となります。財政健全化論との議論が継続されていた2008年とは異なり、2009年は有無を言わさず実行せざるを得ない状態になると考えられます。 総額26兆円の財政政策が発表されていますが、雇用創出の問題が、直近、より主要なテーマになることも考えれば、伝統的な公共事業も含めて、まずは可及的速やかに15〜20兆円程度の実行がなされることが必要です。雇用情勢次第では「日本版ニューディール政策」の議論を本格化させなければならないでしょう。

5.2010年に向けての2009年・・・
アメリカ、ユーロ圏の政策・経済情勢次第ではありますが、上記のような果敢な政策実現・実行とそれにかかわる財政出動が本年の早い時期になされれば、2009年は、2010年以降の経済回復への大きな布石となる1年になる可能性があると考えられます。 しかし、世界経済の厳しさやそれらに伴う企業業績の悪化、日本国内の企業倒産ラッシュと雇用の悪化が継続する中では、マーケットにはある種の絶望感が生じてしまうかもしれません。 その場合、オバマ期待から株価は一時期的に上昇する場面が見られるかもしれませんが、一方、マーケットでは、底固めの動きと言われた2008年終盤の底をあっさりと割っていくような場面も覚悟しなくてはならないでしょう。

年初早々、悲観的な見方を連ねてしまいました(ゴメンナサイ)。(長々と書いてしまって申し訳ありませんが、もう少し・・・)
私たちダイナアーツも、年間数十というプロジェクトワークの中で、2008年・・・正直申し上げて、幾多のケースにおいて、いわば無力感を感じる場面がありました。ですが、そうした経験を通じて、多くを学び、多くを生み出す取り組みに関わらせていただいてきたことも事実です。
2009年・・・私たちは1993年の創業から満15年の年となりました。
思い起こせば、(現在の混迷に比べれば比較的克服しやすい環境だったかもしれませんが・・・)1993年も波乱の年でした。波乱の年に生まれ、そして15年を経て、新たな波乱の年に・・・。
ゆえに、本年2009年、私たちは、あらためて、私たちのお客様方、皆様の苦境・苦渋・・・をシェアさせていただくことからはじめてゆきたいと考えています。
今現在も、昨年より継続してご支援させていただいているお客様の中に、この環境下、まさに・・・“崖っぷち”に瀕しておられるお客様がいらっしゃいます。

昨年(2008年)7月のHarvard Business Reviewに、コーポレート・エグゼクティブ・ボードのマシュー S. オルソン氏とデレク・バン・ビーバー氏による、「売上げが止まる時」という寄稿が掲載されました。
売上げを増やし続けてきた企業が突然減収に転じ、それ以降、かつての成長軌道に戻ることができない・・・過去半世紀、フォーチュン100とフォーチュン・グローバル100にランキングされた企業およそ500社に対する調査の結果、その9割が失速・・・すなわち売上げの停滞・落ち込みを経験してきたということ。 そして、その原因としては、不可抗力(すなわちマクロ環境、経済環境の急激な変化によるもの)といった外的要因のウエイトは相対的に低く、むしろ主要因は、「過去から積み上げてきた成功体験に潜む罠」、「イノベーション・マネジメントの破綻」、「成長余力を残したコア事業の見切り」、そして「人材不足」の4つであり、早期に察知し、対策を講じれば回避可能であった・・・という内容です。
生き残りを賭けた上記の“崖っぷち”のお客様に対する私たちダイナアーツのコンサルティング・フォーカスは、まさにこの4つの主因に向けてのものとして取り組まさせていただいてきています。
年始早々、このお客様から、「変わる、変えることができてきた・・・という実感が持ててきました。ありがとう・・・。」というお賀状を頂戴しました。
環境がいかに厳しく、苦しいものになろうとも、変化に対して自ら変化(変革)いただくことをねらいとして、徹底して「冷たい状況認識と熱い対応」を信条(creed)、仕事観としている私たちダイナアーツにとって、このお言葉は感無量です。

決して楽観することのできない2009年・・・。
クライアント皆様との響感・響創のために。
誠心誠意のご支援に取り組まさせていただきます。
本年もどうぞ宜しく御願い申し上げます。


株式会社ダイナアーツ・インターディベロップメント
代表取締役 C.E.O., エグゼクティブ・コンサルタント & ストラティジスト

加藤 誠也
スタッフ一同


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