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過去のマンスリー・トピックス
毎月、企業や社会の諸活動の中で気になるテーマ・話題に関するひとことエッセイや、とても有用な書籍へのひとこと書評を掲載中。 最新号、及びその他の過去のトピックスはこちらから。
◆2008/9 
羞恥心は“おバカ” じゃない!? 〜弱みを強みに逆転の発想〜

バカにされたくないと思っている人は多いでしょう。ましてアイドルとなればカッコいい・憧れの存在・・・ 容姿端麗、スポーツ万能、出来る事なら頭脳明晰であることが本来は求められるはずです。 しかし、今大人気のアイドルユニット“羞恥心”は容姿端麗、スポーツ万能ではありますが、頭脳明晰どころか、頭が良くない・・・いわば「おバカ」を前面的に打ち出して人気を博しています。
今回はこの人気ユニット“羞恥心”を対象として、弱みを強みに変える逆転の発想について考えてみたいと思います。

まず“羞恥心”についてあらためて整理してみたいと思います。
フジテレビ「クイズ!ヘキサゴンII」から生まれたイケメン三銃士「羞恥心」(しゅうちしん)(つるの剛士・上地雄輔・野久保直樹)。 きっかけは、番組のクイズで、上地雄輔が「羞恥心」を「さじしん」と答え、その場にいた3人のことを司会の島田紳助さんが「お前らは、今日から羞恥心(しゅうちしん)と名乗りなさい」と命名。おバカ解答を連発していた番組の人気者3人組が集結。
楽曲を手掛けるのは、なんと作詞:島田紳助、作曲:高原兄のゴールデンコンビ。 番組内では司会の紳助さんに「歌詞は間違いなく覚えられない」「歌詞の漢字を読めないのでは」「振りを覚えたら歌詞を忘れる」「完成までに1年かかる」などとユーモラスに語られていたが、このたび晴れて正式にCDデビューが決定。

80年代王道アイドルを彷彿とさせるおそろいの白銀の襟高コートに、超ロングマフラーを風になびかせ、ドリーミーで華麗な振り付け、まるで2008年度の「ニューアイドル歌謡」とでも呼べるような、キラキラ輝く斬新なパフォーマンスを披露。
100%完璧ではないけれど、ガムシャラな勢いは超一級。 キャラクターも相まって その荒削りな感じも魅力的で、誰もが驚く、眩しいほどのカタルシスを感じさせる素晴らしいパフォーマンス。 まさに新しい国民的アイドルグループの誕生、Jポップ・シーンに新たな1ページが刻まれました!「羞恥心」に是非ご期待下さい!!!(ポニーキャニオン/シングルCD「羞恥心」紹介ページより)

クイス番組の中の“おバカ”っぷりから誕生したユニットの“羞恥心”ですが、当初は話題性のみかと思われていましたが、予想以上の人気・CDの売れ行きを記録しました。

“羞恥心”の人気
●池袋サンシャインシティで行われたデビューイベントには、本人達も驚く2000人のファンが集結
●デビューシングルCD“羞恥心”は
 週間2位(オリコン、2008年4月21日、28日、5月5日、12日付)
 週間1位(プラネット[1])
 週間1位(Billboard Japan[2]、2008年4月21日付)
 週間1位(ミュージックステーションシングルCDランキング、4月25日放送分)
 2008年4月度月間1位(オリコン)
 2008年5月度月間3位(オリコン)
 2008年上半期4位(オリコン) ・・・

CD以外にもバラエティー番組はもちろんドラマ、舞台など幅広く活躍しています。
またメンバーの上地 雄輔のブログ『神児遊助』は「世界で最も1日の閲覧ユニークユーザー数が多いブログ」としてギネス・ワールド・レコーズに認定されるなど、活躍の場はとどまることを知りません。

また“羞恥心”以外にも同じく「クイズ!ヘキサゴンII」から誕生した女性“おバカ”ユニットの里田まい、スザンヌ、木下優樹菜“Pabo”(デビューは“羞恥心”より早い)のメンバーも大人気です。
まさに(今まで明確には存在していなかったと言える)、「かっこいい(かわいい)けどおバカ」という新しい市場を創造したと言えると思います。

ではこの“羞恥心”のメンバーは本当に“おバカ”なのでしょうか・・・
クイズなどで見せるように“天然ボケ”の要素はあるのかもしれませんが、ドラマなどでは脚本をしっかり憶えて演技をしています。バラエティーやさまざまなインタビューなどでも、聞き手や視聴者の期待どおり!?の“ボケ”や“珍回答”をして、しっかりと笑いをとっています。 こうしたことからみるとクイズや勉強は苦手なのかもしれませんが、頭の回転は早いのではないでしょうか・・・またプロデュースをしている島田紳助を始めとして周りのスタップ(ブレーン)も“羞恥心”の人気を支えるために、“おバカ”のイメージを壊さないようさまざまな戦略を考えていることでしょうし、当人達も自分の“おバカ”なキャラクターを生かすように、きっと日々考えながらさまざまな活動をしていると思います。 こうしたことから考えてみても羞恥心は“おバカ”キャラクターを演じてはいますが、本当の“おバカ”とは言えないのではないでしょうか!?

もし、“羞恥心”や“Pabo”のメンバーがこの“おバカ”キャラを前面に打ちださずにいたら、彼(彼女)らこんなにも人気者になれたのでしょうか?
確かに彼(彼女)らは見た目はイケメン(かわいい)ではありますが、芸能界でイケメン(かわいい)はいくらでもいます。容姿だけで勝負するのは難しかったのではないでしょう・・・売り出すためには、その容姿にプラスして、他のイケメン(かわいい)との違い、つまり差別化をする必要があったと思います。 そこで、戦略かあるいは最初は偶然かはわかりませんが、当人達が持っていた天然ボケの“おバカ”な要素、従来のアイドルとしては“弱み”になるような“おバカ”なことを、あえて強調して他のアイドル候補たちと差別化することにより、彼(彼女)らはアイドル候補から頭ひとつ抜け出すことが出来たのではないでしょうか。
ちょっと昔のアイドル候補であれば、なるべく“おバカ”であることを隠して、このような“ボロ”が出そうなクイズ番組には出ていなかったとは思います。もちろん時代が変わり、アイドルの価値観の変化もあるとは思いますが、”おバカなアイドル”は弱みを強みに変えて差別化する、従来の常識を覆す新しい発想から生まれたまさに“ニュータイプのアイドル達”と言えるのではないかと思います。

このような発想を導き出す思考法として、「水平思考」(ラテラル・シンキング)と呼ばれるものがあります。「水平思考」とは、1970年、創造的教育の研究者エドワード・デボーノ博士が提唱した発想法で、従来の原因から結果が生まれるという前提に立った「直線的な」因果関係思考へのアンチテーゼとして生まれ、イノベーションに向けた新しい見方であると同時に、そうした革新的な見方ができるようになるためのテクニックのことです。
わかりやすく言うと、物事の見方を根本的に変えてしまうような創造を生み出すために、深く掘り下げる(垂直思考)のではなく、なるべく横に広げて自由に発想する思考法のことです。
有名な例としては、「接着力が低いのり」から生み出された「ポストイット」などがあります。

このように考えていくと、「おバカなアイドル」だけでなく、今後はいろいろなアイドルが登場してくるかもしれませんね。「運動が全くできないアイドル」「背が極端に高い女性アイドル」「背が極端に低い男性アイドル」「実年齢より老けてみえるアイドル」・・・ 今はなかなか想像できませんが、数年後にはこんなアイドル達が大人気!?になっているかもしれません。

イノベーションを起こすには論理思考(ロジカル・シンキング)も大事ですが、水平思考(ラテラル・シンキング)も必要です。私達ダイナアーツでも、クライアントの皆様の様々な課題に対して、決まりきった定石や考え方だけではなく、様々な角度からの分析・考察を行い、クライアントの皆様にとって最適なアプローチを実行するように努めています。
事業・商品についてお悩みの皆様、あなたの事業(商品)の「従来のアイドル」の壁を壊し、「新しいアイドル」像を私達と一緒につくりませんか?
そんな皆様からのご相談をお待ちしております。

(高木)


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