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過去のマンスリー・トピックス
毎月、企業や社会の諸活動の中で気になるテーマ・話題に関するひとことエッセイや、とても有用な書籍へのひとこと書評を掲載中。 最新号、及びその他の過去のトピックスはこちらから。
◆2008/5 
「ラッコじゃないんだつまんない」といわれたアザラシがなぜ人気ものになれたか!?
〜行列の出来る動物園に見る現場力の重要性〜


「以前お客さんがアザラシ舎の前で、“ラッコじゃないんだ、つまんない”って言った。猛烈に悔しかった。だってアザラシは面白いんだから。“いつかみてろよ”という思いがあった・・・」

これは今をときめく日本一の来園客を誇る旭山動物園のアザラシの担当飼育員の方の話です。
そのアザラシは今や動物園の人気もの。アザラシだけでなくホッキョクグマもペンギンもオランウータンも、どこの動物園にでもいるような動物が旭山では大人気です。 それは何故かといえば、TVを始め様々なメディアで紹介されているので皆さんご存知だと思いますが「行動展示」を取り入れたことです。

「行動展示」とは動物本来の動きを引き出し、来園者にその動物の魅力を知っていただくこと。
アザラシがタテにいきいきと泳いで穴からぽっこり顔を出したり、ペンギンが隊列を組んで散歩をしたり、ホッキョクグマがエサを捕獲するためにダイブをしたり、オランウータンが木から木へのジャンプをしたり・・・など、従来の動物園のようにオリの中でごろっと寝そべっている姿ではない、新鮮な動物本来の動きを見せたことが人気を呼びました。
ではなぜ旭山動物園は「行動展示」が出来たのでしょうか?
今回は「行動展示」を生み出した旭山動物園から現場力の重要性を探ってみたいと思います。

今では年間300万人以上の来園客が訪れる旭山動物園ですが、1995年には少子化、施設の老朽化、エキノコックス病などの原因で28万人まで落ち込み、、閉鎖も検討されている状況でした。
そのどん底の状態の中、何をしたかといえば、現場の飼育員達に「理想の動物園」を書かせたのです。 それが14枚のスケッチ。
この14枚のスケッチが今の旭山動物園の原点です。
閉鎖から脱するため、旭山動物園はこのスケッチの実現を目指しました。 しかし実現するにももちろんお金もなく人もいない状態、その中で、“やれることからやっていこう“と現場で試行錯誤を繰り返し、10年以上の歳月を使い、ようやくスケッチの“理想の動物園”を実現させました。
その代表が「行動展示」であり、その他にも手作りのPOPや担当者の「ワンポイントガイド」制度など動物の魅力を来て頂いたお客さまにわかって頂くように様々な工夫がしてあります。
現場が知恵を出し、現場が実行する、現場からのイノベーション。 まさに旭山動物園は現場力で奇跡の復活を遂げることができたのです。

では現場力とは何でしょう?
それは自ら問題を発見し、自ら解決することです。問題のない会社や組織は存在しません。大切なのは、その問題に対し向き合い解決をしていくことです。強い会社にはそんな強い現場が存在しています。(トヨタ自動車、花王、小林製薬・・・など)

では現場力を強くするにはどうしたらいいでしょう?
@問題発見のための「見える化」
現場力強化の第一歩は問題の発見を効果的に行うための仕組みの「見える化」です。工場も営業も研究・開発も・・・企業活動におけるあらゆる問題を「見える化」し、問題を発見していく必要があります。そして見える化は「情報の共有」ではなく「共通認識」をつくるためでもあります。 同じものを見ているからと言って、皆が同じ認識をしているとは限りません。問題を自ら解決するためには現場スタッフの 「共通認識」が必要です。多くの情報を“翻訳”して理解することにより「共通認識」とする。そのために「見える化」は欠かせません。

A良いくせをつけるための継続性
せっかく良い取組みを始めても長続きしなくては意味がありません。粘り強く会社の良いクセになるまでしつこく、あきらめずにやり続けなくてはいけません。
(トヨタの改善活動、デンソーの40年のQC活動、セブンイレブンのFC会議・・・)

@Aを組織として継続してやり続けること、これが現場力を鍛える方法です。

旭山動物園では最も重要なものを「見える化」しました。
それは14枚の「理想の動物園」のスケッチ。 現場の人間の夢・思い・志・理想・・・・ それをスケッチに書き出しました。 奇跡はそこから始まったのです。
そしてそれから10年以上粘り強く、試行錯誤を繰り返しながら、スケッチに書いてある理想の動物園づくりをしました。それが今の大人気につながっています。 まさに現場力を生かし、強化したことが生んだ成功です。
そしてその活動は今もなお続いています。 さらにお客さんに喜んでいただける「理想の動物園」を目指して・・・

現場力を鍛えるといっても容易なことではありませんが、強い企業をつくるには欠かせないものです。 私達ダイナアーツでは現場力を鍛えるために、現場・現物・現実の三現を重視して、クライアントの皆様に最適なご支援(コンサルティング、ワークショップ、プロセスの見える化・・・)を行っております。
あなたの“夢のスケッチ“の実現のために・・・是非、私達ダイナアーツへご相談ください。
誠心誠意、そして粘り強く実現のためのお手伝いをさせていただきます。

(木)
※参考文献 「現場力を鍛える」 遠藤功著


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