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過去のマンスリー・トピックス
毎月、企業や社会の諸活動の中で気になるテーマ・話題に関するひとことエッセイや、とても有用な書籍へのひとこと書評を掲載中。 最新号、及びその他の過去のトピックスはこちらから。
◆2008/3 
“どけんかせんといかん!“東国原知事が仕掛ける宮崎ブーム
〜ご当地ブームの背景とマーケティング戦略〜


「宮崎をどげんかせんといかん!」を旗印に知事に当選し、宮崎県のセールスマンを自認する東国原知事の連日のPRの効果もあり、宮崎ブームは就任一年以上が経った今も続いています。
例えば
●宮崎産マンゴーの2007年の売上高も前年比4割増の27億6000万円
 特に特級品「太陽のタマゴ」(1セット1キロ)は、店頭で約2万円という高値がついている
●県庁に隣接する「みやざき物産館」の売り上げも前年比4.8倍に急増
 東京・新宿の物産館「新宿みやざき館KONNE(コンネ)」の売り上げも倍増
など、このブームはまだまだ続きそうな勢いですが、今回は宮崎ブームから見る、ご当地ブームの背景とそのマーケティング戦略を考えてみたいと思います。

現在の宮崎ブームの最大の要因は、東国原知事の連日のマスコミを使ったPRにあるのは間違いありませんが、宮崎とまではいかなくても現在は“ご当地”ブームと言ってもいいぐらいご当地ものが流行っています。 例えば、ご当地ラーメン、ご当地餃子、ご当地スイーツ、またご当地検定など・・・ 多種多彩に及んでいます。

このブームの背景として以下の3点が考えられると思います。
@成熟消費者社会での消費者のこだわり
A一連のNBメーカーの食の不祥事
Bブームによる希少性の更なる高まり

@成熟消費者社会での消費者のこだわり
前回のプレミアム商品のところでも触れましたが、物質的な豊かさが満たされている成熟消費社会の今、消費者は大量生産、大量消費ではなく、作り手のこだわりに共感し、納得ずくで手に入れる。 つまり自分なりの価値観を持って商品を選択している消費者が増えてきています。わかりやすく言えばそれぞれの人がそれぞれの「こだわり」を持って商品を選んでいて、その中の現象の一つが「プレミアムブーム」であり「ご当地ブーム」であると言えると思います。

A一連のNBメーカーの食の不祥事
そしてその消費者意識を加速する出来事として、昨今の一連の食の不祥事が大きな影響を与えていると思います。 今まで信頼していたNB(ナショナルブランド)のメーカーやその商品に対する信頼が事件の多発により低下し、より生産者や生産工程が見える(見えやすいと考えられる)ご当地ものの人気を押し上げる結果につながったのではないかと考えられます。

Bブームによる希少性の更なる高まり
元々あった希少性や商品としての魅力が人気(ブーム)になることにより、更に入手が難しくなったり、価格が高騰し、そのことがまた人気に拍車をかけることにつながっていると思われます。 特に今はインターネットの普及により情報伝達のスピードが昔に比べて格段に早くなり、一度火がつくと人気が集中してしまいます。

このような背景の中、宮崎を始めご当地ブームは今後も続くと考えられますが、ブームというものはいつか終わりのあるものです。ブームの中取組まなくてはいけないことは、ブームを出来るだけ継続する、そしてブームをブームで終わらせないための取組みです。 次にブームの真っ最中の宮崎の取組みの一部を見てみたいと思います。

ブームの拡大・継続を目指しての取組みとして、
●ファミリーマート「そのまんま宮崎フェア」の開催
・全国7000店舗のファミリーマートで宮崎県をテーマにした商品を発売。
・売上:3週間の売上目標20億円の約半分の10億円を1週間で達成。
・県庁の全面協力:県庁での記者会見、知事の店舗訪問で話題に。
・商品内容:オリジナル商品42アイテム含む全67アイテムで構成。
・告知・販促:のぼり、販促物に知事のイラストを大きくデザインしたものを多用。知事本人のフェアをアピールするBGMも店内に流した。
・「宮崎ポイントマラソン」キャンペーン:「シーガイアリゾートペア宿泊券」「宮崎牛ステーキ」などが当たるキャンペーンを実施。 “行って体験できる”“食べて体験できる”という点から景品を選択。フェアだけでなく、より深く宮崎を知ってもらうように促した。
などを実行し、宮崎ブームを更に広める成果を挙げることが出来た。

ブームをブームで終わらせないための取組みとして、
●アンテナショップ「新宿みやざき館KONNE」、最前線での取組み
宮崎県を広く首都圏の方々へ紹介することを目的とした新宿サザンテラス内のアンテナショップで、宮崎ファンの獲得、情報交流の場、新規ビジネスへの玄関としての機能を充実させ、ブームが去っても、高い位置で踏みとどまれるように最前線で様々な取組みを実行しています。
・パッケージの工夫:首都圏でまだ認知度が低い商品ブランドで中身の見えないパッケージでは手を出しにくいため、例えば箱売りではなく、手軽に購入できるよう個別包装にして1個単位で販売したり、中身の見えるパッケージに改良するなどして店頭に陳列。
・「みやざき物産ポイントカード」:リピート客の促進、宮崎ファンを育成するツールとして導入。購入金額1,050円ごとに1ポイント、20ポイント貯まると500円の割引を行う。
・バイヤーとの商談:扱っている商品が、視察に来る百貨店のバイヤーの目にとまり、新たな商談が生まれて大きな取引へつながることもある。
・情報収集の場:小売業者、来店客から得た意見・反応を、宮崎の製造販売企業・関連業者へフィードバックし、商品開発につなげる。
など、人気を維持するための商品企画力・販売促進力の強化を日々行っています。

宮崎ブームも含めてご当地ブームの広がりは商品だけでなく、ご当地キャラクターや検定、その土地での「体験」や「文化」にまで広がり、中には企業・団体との連携で大きなビジネスチャンスになるものが出てくる可能性も今後高まると思われます。
そのためには商品に付随する情報と体験をどう絡めて発信させていくかが重要になっていきます。
私達ダイナアーツでは商品に付随する情報と体験を整理・分析し、より効果の高い商品のコンセプトの作成から販売促進の具体的な方法づくりまでを、ご支援させていただきます。

「どげんかせんといかん!」と思っている地場産業・メーカー・流通の皆様、東国原知事がいればと嘆く前に、私達ダイナアーツにまずはご相談ください。

(木)
※参考文献 「販促会議 11月号」


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