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マンスリー・トピックス
毎月、企業や社会の諸活動の中で気になるテーマ・話題に関するひとことエッセイや、とても有用な書籍へのひとこと書評を掲載中。 過去のトピックスもこちらでご覧いただけます。
◆2010/8 New
“カップ焼きそばは“平べったい四角い顔”だけではない!?”
       ~ 成熟市場に風穴を開けた「JANJAN ソース焼きそば」 ~


「四角くって食べやすい。気が利いてるよな。」
というCMがその昔流行っていたのをご存知でしょうか?
何かと言えばご存知“カップ焼きそば”のロングセラー商品「ぺヤング」(1970年代後半)のCMです。
1975年3月に業界初の四角い容器のカップめん「ペヤングソースやきそば」が発売されヒット商品となりました。
そこから長らく、カップ焼きそばは“平型”が定番でしたが、その常識を打ち破る“縦型”の“カップ焼きそば”「JANJAN ソース焼きそば」(エースコック)が出て人気を博しています。(2010年3月15日発売)
今回は「JANJAN ソース焼きそば」の人気の秘密について考えてみたいと思います。

●エースコック「JANJAN ソース焼きそば」ホームページ、商品はこちらをご覧ください。


「JANJAN ソース焼きそば」発売前のカップ焼きそば市場は
“市場ユーザーが固定化し、食べる銘柄も決まっている成熟市場”でした。

▼メインターゲット:30代以降の男性のヘビーユーザー
▼訴求ポイント:濃厚な味とボリューム
▼食シーン:夜や休日

もちろんパッケージは平型で、「U.F.O」「一平ちゃん」「ぺヤング」の3大ロングセラーブランドが根強い支持を受けていました。

そんな厳しい環境の中、エースコックではあえてこの戦いの中に入るのではなく市場拡大を目指します。

▼新しいターゲット:女性、若い男性などのカップ焼きそばのライトユーザー、ミドルユーザー
▼食シーン:オフィスでの昼食

そしてその象徴であり訴求ポイントが「縦型のパッケージ」です。
ではなぜ「縦型のパッケージ」なのでしょうか?
エースコックでは平型のカップ焼きそばをオフィスの昼食時に食べない理由を調査し、その結果から仮説をたて検証をしていきます。

●調査結果(食べない理由):
「平型だと場所を取る」
「大きなカップで食べているところを見られると恥ずかしい」

●仮説:
手軽なハンディタイプの容器であれば食シーンが広がる

●検証:
グループインタビューで好評を得る
「食べている口元や中身を見られなくて良い」(女性)
「オフィスや公園など、色々なところで食べられる」(男性)

この「調査→仮説→検証」の結果、自信を持って「縦型」の発売を進めました。

もちろん「JANJAN ソース焼きそば」は容器だけでなく、ターゲットのニーズに合わせた改良・工夫が随所にあります。

従来 JANJAN
重量 90~100g 85g
※手軽さを追求しつつしっかりと一食取れる分量
ソース 濃いソース(油)をかける 麺に通常の5倍のソースを練りこむ
※縦型の容器では箸にソースがつきやすいため、油ではなくソースそのものの濃い味が求められている
トッピング 青のり ブラックペッパー
※オフィスの昼食では歯につく青のりは厳禁

結果として従来のカップ焼きそばの“味が濃くてボリューム満点なガテン系な食”から“手軽にどこでも食べられるスマートな食”へと変貌した「JANJAN ソース焼きそば」は、発売後から週別の売上ベスト3に入る状況が続いており、販売目標を当初の1.8倍に上方修正、またカテゴリー自体の売上も伸びていることから、新たなユーザーの開拓にも成功しております。


ユーザーが固定化している成熟市場、これは何もカップ焼きそば市場だけではありません。
成熟市場の中では、競合との激しい戦いが繰り広げられ、メインターゲットへの訴求ポイントを強調して差別化を図ることに重点を置きがちです。
カップ焼きそばで言えば、“よりボリュームを、より濃い味付けを”はヘビーユーザーには喜ばれるかもしれませんが、それは徐々にターゲットを絞っていきミドル・ライトユーザーがついていけなくなり、結果として市場を縮小(あるいは固定)してしまうことになりかねません。(例えば、任天堂のwii登場前のゲーム市場等)
もちろんヘビーユーザーへの訴求は大事なポイントですが、成熟市場では、“メインターゲットへの訴求”という視点と供に、“新しいターゲット(ミドル・ライトユーザー)の開発”という視点も必要ではないでしょうか?
まとめますと、

★☆★ 今月の売れるためのまめヒント ★☆★

■成熟市場では“メインターゲットへの訴求”という視点と供に、“新しいターゲット(ミドル・ライトユーザー)の開発”という視点を持つようにしよう。

■“新しいターゲット(ミドル・ライトユーザー)の開発”のためには「(調査→)仮説→検証」を繰り返し、固定観念に捉われない発想も必要。


「縦型」のパッケージには上記以外にも、“商品パッケージが見やすくなった”“いいフェイスを取れるようになった”(従来量販店ではカップ焼きそばは、パッケージの形状から棚の最下段に置かれることが多かった。)“大量陳列・垂直の棚展開が増えた”などのプラスの効果もあり、流通の評価も上々で、売上増につながっています。
開発当時から狙った効果かはわかりませんが、カップ焼きそばは「平型」の固定観念に縛られなかったことがここでも素晴らしい成果につながっています。

私たちダイナアーツでも、“成熟市場へのマーケティング施策立案”“新しいターゲット開発のための「調査(→仮説→検証)」などのお手伝いをさせていただき、多数の成功事例をうみだしてきました。
成熟市場の商品をお持ちのお客様、上記に関するお悩みなどがありましたら、まずはご相談ください。



※本記事は、メールマガジン(毎月発行/無料)「売れまめ! 売れない時代に売れるためのまめヒント」13号を加筆・編集したものです。
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参考資料:「販促会議」
掲載画像:エースコック株式会社/ホームページより参照
(髙木)


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