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マンスリー・トピックス
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◆2010/3 New
“飲んだら飲んどこ”で市場が10倍! ~『ウコンの力』のぶれない商品力~

日本経済新聞(2010年2月3日)によると「二日酔い対策飲料市場」が拡大しているようです。

(以下記事の抜粋)
ハウス食品によると、2009年度は330億円とこの5年で10倍に膨らむ見込み。
1本200~300円でコンビニエンスストアーなどで手軽に買えるため、胃腸薬に代わり支持を得ている。市場の9割を占めるのがハウスの『ウコンの力』。
二日酔い対策といえば、医薬品や、医薬部外品を購入する人が多かったが、『ウコンの力』は04年の発売以降、新市場を開拓。中年男性にヘビーユーザーが多いが、カシス味投入で女性の購入も増えた。
ロッテや味の素も昨年参入。
若者の酒離れで国内の酒類消費量は減少の一途だが、それでも「お酒で失敗したくない人が増えているようだ」という。

拡大市場の中でシェア9割を誇る『ウコンの力』、その強さの秘密を探ってみたいと思います。



1.自社独自資源(強み)の見直し
もともとハウス食品は、カレーを中心とした香辛食品や調味料の分野での加工技術、マスキング技術に強みがありました。
この自社の強みであるスパイスの機能を使った商品開発を行うために調査を実施。
その中で注目したスパイスが“ウコン”でした。
『ウコンの力』の開発担当者の相馬修氏は
「9割近くがウコンという名前を知っており、そのうち約6割の方が、『(お酒を)飲む時によさそう』など、健康によいイメージを抱いていたので、ウコンを使って新たな商品を開発したいと思いました。」
と語っています。

2.ターゲットの選定と特性に合わせた商品開発(1)飲料
相馬氏は新商品のターゲットを自分と同世代の“30~40代の男性”に選定して商品開発にあたりました。その中でサプリメントや食品ではなく“飲料としてのウコン”にこだわりを持ち商品開発を進めて行きます。

そのポイントを相馬氏はこのように語っています。
「30~40代の男性をターゲットにしていますが、彼らの多くは、滋養強壮や疲労回復をうたうドリンク飲料を日常的に飲んでいます。こうした面から“サプリメント”よりも“飲料”のほうが受け入れられると思いました。『飲む前に、ウコンの力を飲んでおこう』 という気持ちになってもらえると。」
商品開発をする時にターゲットを選定する場合には、性別、年齢、居住地などの基本属性はもちろん、
“消費行動を決定づけるファクター”
価値観、志向性、意識傾向、消費選択基準、嗜好性、実態・行動・・・などを分析し、利用シーンを思い浮かべながら進める必要があります。
相馬氏も自分の経験と調査結果を基にしたターゲットである30~40代の男性の特徴
例えば、
●“付き合い・接待・プラベートなど”お酒を飲む機会が多い。
●仕事的にも家庭的にも“お酒の失敗”は避けたいと思っている。
●年齢的に20代の頃に比べると酒に弱くなってきている。
●健康ドリンクを日常的に飲んでいる。
●コンビニエンスストアーを使う機会が多い。
など・・・
を踏まえ、ウコンを使った“飲料”での発売を目指しました。
そして『ウコンの力』はこの後“ターゲットの特性”を活かした商品開発・マーケティング施策、各種プロモーションなどをぶれずに進めていきます。

3.ターゲットの選定と特性に合わせた商品開発(2)味覚
一般的には効果効能のあるものは苦味など「いかにもそれらしい」味をつける傾向がありますが、『ウコンの力』では従来のウコンのイメージを覆す“美味しさ”と“飲みやすさ”を追求しました。
そしてその味も当初は“果汁ブレンドの味”でした。
相馬氏は味覚についてこのように語っています。
「当初、果汁と混ぜてマイルドな味になるよう研究し、合格ラインの試作品も完成させました。しかしターゲットの30~40代の男性が、果汁ブレンドでマイルドな味にたいして、『飲む前に、飲んでおこう』というイメージを持ってもらえるかという疑問が…。
議論を重ねた結果、栄養ドリンクとしておいしい味を追求することがイメージアップにつながるという結論に至り、味の開発は白紙に逆戻り。
以後は果汁に頼らず、ウコンがほのかに感じられる味に変更し、酸味、甘み、苦味等を分析し、その配分を微妙に変えながら、研究所の人間と何度も話し合い、男性に受け入れられる味を納得いくまで追求していきました。」

ここでもターゲットである30代~40代の男性を徹底的に意識していますね。

4.『御墨付き力』“エビデンス”の発表
「売れまめ!」第6号でも書かせていただきましたが、売上増の強力な武器である『御墨付き力』を『ウコンの力』も使っています。
ハウス食品は『ウコンの力』の開発で初めて臨床試験を実施し、その結果を「和漢医薬学会」に「ウコンのアルコール代謝に及ぼす影響」として発表しています。
そしてこの学会発表をパブリシティとして活用することにより、消費者はもとより、流通、自社営業に対する商品の説得力の強化に大きく効果を発揮しています。

5.訴求力のあるキャッチフレーズとターゲットへのぶれない販促活動
優れた商品・売れる商品には、明快で人々の心に強く訴えかけるメッセージが欠かせません。
もちろん『ウコンの力』には“飲んだら飲んどこ”と言う明快で印象に残る強いキャッチがあります。
そしてターゲットへのぶれのない一貫した販売促進活動は、TVCMなどのメディアを使った広告や忘年会シーズンでの繁華街での試供品の配布などでも実施されています。

まとめますと、

市場を開拓・拡大し、シェアの9割を占める『ウコンの力』がメガ・ヒット商品になったのは
■ターゲット特性に合わせたぶれない商品力と施策の実施。
1.自社独自資源(強み)の見直し
2.ターゲットの選定と特性に合わせた商品開発(1)飲料
3.ターゲットの選定と特性に合わせた商品開発(2)味覚
4.『御墨付き力』“エビデンス”の発表
5.訴求力のあるキャッチフレーズとターゲットへのぶれない販促活動

参考文献:日本経済新聞(2010年2月3日)

《 あとがき 》
仕事柄いろいろな商品やサービスを検証する機会がありますが、 得てして売れていない商品やサービスは、この一貫性がないものが多いです。

極端な例ですが、
●40代の女性向けに作った商品なのに、ホームページは20代女性向けのデザインになっている。
●富裕層向けのサービスなのに、フリーペーパーに広告を出している。
など・・・。
(あるいはそれ以前にターゲット/コンセプトがぼやけているものも)

自社の商品やサービスにおいて川上から川下まで、ターゲットやコンセプトがそもそも合っていて、一貫性のある取組みが出来ているかを見直してみると、大きな反省材料が見つかることもあります。
私達ダイナアーツでも、「調査→商品開発→アクションプラン策定→上市展開→営業・販売支援」と、川上から川下まで、一貫した責任あるご支援活動を行っております。
ご希望の方は、まずは遠慮なくご相談ください。

※本記事は、メールマガジン(毎月発行/無料)「売れまめ!売れない時代に売れるためのまめヒント」8号を加筆・編集したものです。
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(髙木)


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